
住まいの中で起こるトラブルの中でも、「水漏れ」は特に厄介で、気づいたときには床が濡れていたり、隣室や階下に被害が及んでいたりすることも少なくありません。
水漏れは、突然起こるイメージを持たれがちですが、実際には「予兆」や「前触れ」があることも多く、事前に点検しておくことで未然に防ぐことが可能です。
特にキッチン・トイレ・お風呂・洗面所などの水回りは、日常的に水を使うため、設備や配管の劣化やトラブルが発生しやすい場所です。
水漏れによって起こる二次被害には、床材や壁材の劣化、カビの発生、家電の損傷などもあり、放置すれば修繕費用が高額になるケースもあります。
だからこそ、水漏れを「起きてから対処する」よりも、「起きる前に防ぐ」意識が非常に重要です。
今回は、水漏れの主な原因を確認した上で、家庭内の各箇所で実践できる予防点検の方法、万が一水漏れが発生した際の対応手順までを解説します。
大切な住まいを守るためにも、定期的な点検と正しい知識を持って備えておきましょう。
水漏れが起こる原因
まずは、水漏れが起こる原因についてご紹介します。
1, 劣化したパッキンや配管の老朽化
2, 接続部分や継ぎ目のゆるみ
3, 排水管の詰まりや逆流
①劣化したパッキンや配管の老朽化
水漏れの主な原因のひとつが、蛇口や配管に使われているパッキンやシール材の経年劣化です。
これらの部品はゴム製で、長年使うことで弾力が失われ、ひび割れたり変形したりします。
その結果、水の圧力に耐えられずに隙間から漏れ出してしまうのです。
また、配管自体も年数が経つと内部に錆が出たり、腐食が進行して穴が開くこともあります。
特に築20年以上の物件では、見えない部分で劣化が進んでいる可能性があるため注意が必要です。
②接続部分や継ぎ目のゆるみ
水道管や蛇口、ホース類の接続部分にあるナットや継ぎ手がゆるんでいると、そこからじわじわと水が漏れるケースがあります。
これは配管工事の不備だけでなく、地震や家具の移動による振動でも起こる可能性があります。
給湯器や洗濯機、食洗機などに接続されている給水ホースも、しっかり固定されていないと脱落や漏水の原因になるため、定期的に締め付け具合を確認することが大切です。
③排水管の詰まりや逆流
排水管が詰まると、水がうまく流れず、逆流して床下や壁の内部に水が溜まることがあります。
特にキッチンの油汚れや、お風呂や洗面所の髪の毛、石鹸カスなどが原因で排水管が細くなると、突然の詰まりや漏水が発生しやすくなります。
外からは見えにくいため、流れが悪くなったと感じた時点で専門業者に相談することが被害拡大を防ぐポイントです。
【箇所別】水漏れを未然に防ぐ予防点検
次に、箇所別の水漏れを未然に防ぐ予防点検方法についてご紹介します。
【箇所別】水漏れを未然に防ぐ予防点検
1, キッチンの予防点検
2, トイレの予防点検
3, お風呂の予防点検
4, 洗面所の予防点検
5, 排水管の予防点検
①キッチンの予防点検
キッチンでは、シンク下の配管や蛇口の付け根、食洗機や浄水器の接続部分に注意して点検しましょう。
特にシンク下の収納は見えづらく、日常的に点検する習慣がないと水漏れに気づくのが遅れがちです。
配管に触れてみて結露のような湿り気がないか、排水トラップ周辺に水溜まりがないかをチェックします。
ゴミ受けや排水口に残った食品カスも、詰まりの原因になるためこまめな掃除が必要です。
②トイレの予防点検
トイレでは、タンクと便器の接合部や給水管の接続部分からの水漏れが起こりやすいため、タンクの周囲に水がにじんでいないか確認することが重要です。
便器の周りに湿った箇所がないか、床材にシミがないかも見逃せません。
ウォシュレット付き便座の場合は、ノズル部分や電源まわりにも注意し、水滴や異音がないかを定期的にチェックしましょう。
③お風呂の予防点検
浴室では、排水口の詰まりと給湯配管の老朽化が主なトラブル要因です。
排水口に髪の毛や石鹸カスがたまっていないかを確認し、ヘアキャッチャーをこまめに掃除します。
壁面にカビやひび割れがないか、浴槽の周辺や壁の継ぎ目に水がしみ込んでいないかもチェックが必要です。
給湯の際に異音がする場合は、内部の配管に異常がある可能性があるため、早めの専門点検を依頼しましょう。
④洗面所の予防点検
洗面所では、洗面台下の配管や蛇口、排水トラップ周辺を定期的に点検します。
水滴が残っていたり、カビ臭がするようなら、隠れた漏れや詰まりが進行している可能性があります。
また、洗面ボウルのひび割れや劣化、排水口の汚れも水漏れのきっかけになりやすいため、目に見える異常がないかを定期的に確認することが大切です。
⑤排水管の予防点検
家全体の排水管は、目に見えない場所にありながらも水漏れリスクが高い部分です。
流れが悪くなった、異臭がする、水がゴボゴボと音を立てて流れるなどの異変は、排水管内部に異物がたまっているサインです。
高圧洗浄や内視鏡による点検など、専門業者による定期的なメンテナンスを取り入れることで、見えない部分の水漏れを防止できます。
水漏れが発生した際の対応手順
次に、水漏れが発生した際の対応手順についてご紹介します。
水漏れが発生した際の対応手順
1, 水の元栓をすぐに閉める
2, 漏れている箇所を応急処置する
3, 管理会社または大家へ連絡する
4,修理業者を手配し、必要に応じて保険申請
①水の元栓をすぐに閉める
水漏れに気づいたら、まずは建物全体の水道の元栓を閉めて水の供給を止めましょう。
これにより、それ以上被害が拡大するのを防ぐことができます。
元栓は通常、屋外のメーターボックスや洗面所の近くにあります。
パニックにならず、落ち着いて探して対応することが重要です。
②漏れている箇所を応急処置する
漏れている部分が分かる場合は、タオルで水を拭き取り、ビニールテープや応急用の水漏れ防止テープなどで一時的に水を留めましょう。
電気製品が濡れている場合はすぐに電源を切り、感電や故障を防ぎます。
水が広範囲に広がっている場合は、床や家具を保護するために新聞紙やビニールシートで対処します。
③管理会社または大家へ連絡する
賃貸住宅の場合は、すぐに管理会社や大家に連絡し、状況を報告します。
分譲マンションや戸建てであれば、加入している火災保険や水漏れ保険のサポート窓口へも連絡しましょう。
状況を伝える際には、「いつ」「どこで」「どのように」発生したかを明確に伝えると、スムーズな対応につながります。
④修理業者を手配し、必要に応じて保険申請
専門業者に現地を見てもらい、修理の手配を行います。賃貸であれば、修理業者は管理会社が手配してくれることが多いです。
また、水漏れによって床や家具に被害が及んだ場合は、保険を使って修理費用をカバーできる場合があります。
証拠として写真を撮っておくと申請時に役立ちます。
水まわりのトラブルは鹿児島水道サービスへ
水漏れは「ある日突然起きるもの」ではなく、多くの場合は事前の兆候やサインが出ています。
今回は、水漏れが発生する原因をはじめ、キッチン・トイレ・お風呂・洗面所・排水管といった各場所での予防点検の方法、さらにトラブル発生時の正しい対応手順までをご紹介しました。
定期的に設備の状態を確認し、少しの異変も見逃さずに早めに対処することが、水漏れによる大きな損害や修繕費用の発生を防ぐ最善の方法です。
また、万が一に備えて応急対応の手順を理解しておくことで、被害の最小化にもつながります。
安心して暮らせる住まいを維持するために、今日から始められる予防点検を習慣にし、トラブル知らずの水回り環境を整えていきましょう。