
毎日当たり前のように使っている水道。
ですが、その水を運んでいる「水道管」にも寿命があることをご存じでしょうか?
見えない場所にあるだけに、水道管の劣化や老朽化は気づきにくく、気づいたときにはすでに水漏れや破損といった深刻なトラブルに発展しているケースも少なくありません。
「水道管の寿命って何年?」
「交換のタイミングは?」
「古いままだとどうなるの?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、水道管の種類別の寿命や劣化のサイン、点検や交換の目安、万が一のトラブルを防ぐための予防策まで、わかりやすく解説します。
大切な住まいと安心な生活を守るために、ぜひ参考にしてみてください。
水道管の寿命はどれくらい?
まずはじめに、水道管の寿命についてご紹介します。
水道管の寿命は、使用されている素材や設置環境によって異なりますが、一般的には20年〜40年程度が目安とされています。
古い住宅では金属製の水道管(亜鉛メッキ鋼管など)が使われていることが多く、これらは錆びやすく、20〜25年程度で劣化が進行します。
一方、近年多く採用されている塩ビ管(VP管)やポリエチレン管(PE管)は耐久性が高く、30〜40年の耐用年数を持つとされています。
ただし、寿命の長さはあくまで理論上の目安であり、実際には水質や土壌の性質、凍結の有無、施工状態などによって寿命が短くなることもあります。
特に屋外や床下に埋設された配管は、湿気や温度変化の影響を受けやすく、劣化が早まる傾向があります。
住宅の築年数が20年を超えている場合、見た目に問題がなくても内部では劣化が進んでいる可能性があります。
水道管の破損や漏水が起こる前に、点検や交換の時期を意識しておくことが、安心・安全な生活を守るうえでとても大切です。
水道管の種類別に見る寿命の違い
次に、水道管の種類別に見る寿命の違いについてご紹介します。
水道管にはいくつかの種類があり、それぞれの材質によって寿命に大きな違いがあります。
まず、古い住宅によく使われているのが「亜鉛メッキ鋼管(白ガス管)」です。
耐久性はあるものの、内部が錆びやすく、20〜25年程度で劣化が進みやすいとされています。
劣化が進むと赤水が出たり、詰まりや漏水の原因になることがあるため、築年数の経過した住宅では注意が必要です。
次に、耐腐食性に優れた「塩化ビニル管(VP管)」や「耐衝撃性塩ビ管(HIVP管)」があります。
これらは樹脂製で軽量かつ安価なうえ、腐食に強いため30〜40年程度の寿命が期待できます。
ただし、熱に弱いため、給湯用には不向きです。
給湯配管や寒冷地などで使用されるのが、「架橋ポリエチレン管」や「ポリブテン管」です。
これらは柔軟性と耐久性を兼ね備えており、寿命は40年近くといわれています。
さらに、新築住宅やリフォームで主流になりつつあるのが、「ステンレス管」です。
錆びにくく強度も高いため、耐用年数は40年以上と非常に長く、長期的に見て安心できる素材です。
このように、水道管の素材ごとに特徴や寿命が異なるため、自宅にどの種類の配管が使われているかを把握しておくことは、今後のメンテナンス計画を立てるうえでとても重要です。
水道管の劣化が進む原因
本章では、水道管の劣化が進む原因についてご紹介します。
水道管は一見丈夫そうに見えますが、実は日常的にさまざまなストレスを受けており、少しずつ劣化が進んでいます。
最も大きな原因のひとつは、経年による素材の劣化です。
特に金属製の水道管は、長期間水に触れていることで内部から錆が進行し、腐食や詰まりの原因になります。
赤水が出るようになると、すでに内部の劣化がかなり進んでいるサインです。
また、水質や水圧の影響も見逃せません。
水道水に含まれる成分(カルシウムや塩素など)が配管内部に付着することで、内部の腐食や摩耗が進むことがあります。
水圧が高すぎる場合も、管の接続部に負担がかかり、ひび割れや緩みを引き起こす原因となります。
さらに、外的要因としては温度変化や凍結、地震や地盤沈下などによる微細なズレも挙げられます。
屋外や床下など気温の影響を受けやすい場所に配管されている場合、寒暖差で膨張・収縮を繰り返し、ヒビやゆがみが生じることがあります。
寿命が近づいた水道管に見られる症状とサイン
ここでは、寿命が近づいた水道管に見られる症状とサインについてご紹介します。
水道管は普段目に見えない場所にあるため、劣化に気づきにくい傾向がありますが、いくつかの兆候を見逃さなければ、早期発見及び対処が可能です。
まず代表的なのが、蛇口から出る水に濁りや赤みがある「赤水」です。
これは金属製の配管内部が錆びており、その錆が水に混ざっている状態を示しています。
また、水の出が悪くなったり、水圧が弱く感じる場合も注意が必要です。
内部のサビや異物が詰まり、水の流れを妨げている可能性があります。
加えて、壁や床下で「ポタポタ」という音がする、水道メーターが使用していないのに回っているといった現象も、見えない場所で水漏れが起きているサインといえます。
水道管の劣化を放置するとどうなる?
次に、水道管の劣化を放置するリスクについてご紹介します。
水道管の老朽化に気づいていながら対処せずに放置してしまうと、さまざまなトラブルが発生する可能性があります。
もっとも深刻なのは、漏水による建物への被害です。
水道管のひび割れや腐食が進むと、床下や壁の中で水が漏れ続け、木材の腐食やカビの発生を招きます。
最悪の場合は、建物の構造そのものに影響を与えることもあり、修繕に多額の費用がかかることになります。
さらに、漏水に気づかないまま水道を使い続けると、水道料金が異常に高くなるといった経済的な負担も無視できません。
また、マンションやアパートなどの集合住宅では、劣化した水道管が破裂した場合、下の階に水漏れ被害を及ぼす可能性もあり、賠償問題に発展するケースもあります。
加えて、劣化した配管からはサビや異物が混入しやすくなり、飲料水としての安全性にも不安が生じます。赤水が出るようになってからでは遅く、健康面への影響も懸念されます。
このように、水道管の劣化を放置することは、生活面・経済面・安全面すべてにおいて大きなリスクを伴います。
小さな異変のうちに気づき、早めの点検・交換を行うことが、安心して暮らすための重要なステップです。
水道管の点検タイミング
最後に、水道管の点検タイミングについてご紹介します。
水道管は普段目に見えない場所に設置されているため、劣化や不具合に気づきにくく、つい後回しにされがちです。
しかし、目立ったトラブルが起こる前に点検を行うことで、大きな修繕や水漏れ被害を未然に防ぐことができます。
基本的には、築15年〜20年を過ぎたあたりが点検を検討すべき一つの目安とされています。
特に金属製の管(亜鉛メッキ鋼管など)が使われている住宅では、内部の腐食が進行している可能性が高いため、早めの対応が必要です。
また、赤水が出る、水圧が弱くなった、水道料金が急に上がったなどの異変が見られた場合も、点検のサインといえます。
目に見えない場所で進行している劣化は、プロの目でしか確認できない場合もあるため、これらの症状に気づいたときには、迷わず専門業者に相談しましょう。
さらに、リフォームや設備の交換時にも水道管の点検はおすすめです。
キッチンや浴室のリフォームを機に配管の状況もチェックしておけば、将来的な工事の二度手間を防ぐことができます。
定期的な点検は、安心・安全な暮らしを維持するうえで非常に重要な役割を果たします。
水道管のご相談は、鹿児島水道サービスへ
いかがでしたでしょうか。
今回は、水道管の種類別の寿命や劣化のサイン、点検や交換の目安、万が一のトラブルを防ぐための予防策まで、わかりやすく解説しました。
鹿児島水道サービスでは、水道や水まわりに関する工事依頼やご相談をいつでも受け付けています。
水まわりのトラブルでお困りの際は、ぜひお気軽にご連絡ください。